突然の訃報。
と言っても去年ほどの衝撃とか肉体的パニックにはならないけれど。
追悼的に過去の日記から。
中学の時、「続くかどうかは問題ではない。やろうという気持ちが大切なのです」と担任のM坂がオカンをなだめるようにいつも言っていたのを私は忘れない。
自分にとって都合のいい言葉と言うのはいつまでもいつまでもココロに残る。
「もう二度としません」
悪行のあとに、私は必ずそう言ったが、そのとき私は本当にそう思っていたのかそうではないのかはすっかり忘れてしまった。そして必ずM坂は
「君を信じよう」
とドラマのようなセリフを言うのだが、本当にそう思っていたかどうかは私には一生わからないだろう。それがよっぽど気に入っていたのか気にいったんだろう色紙にも同じ文句を書いていた。
そういやあ、M坂はいつもタンバリンを持っていて、廊下を歩くときに太股あたりでたたきながら歩いていた。
「ハイM坂ですよーM坂が通りますよーもうすぐM坂が近づきますよー」
と知らせているつもりなのか、タンバリンなしでは歩けない体質なのか、それもまた私にはわからないのである。
わかったところでどーってことない。世の中はそんなことで充満している。