大便投げつけ男が逮捕されて平和な町を取り戻せた記念すべき今日、私は自分がいかにやさしいか思い知ることになりました。どうしよう。
電車の中、隣の男(半デブ)が寝ていたのですが、あろうことかずっと私に寄りかかっていました。半デブの腕と、私のそれがビトッとくっついていたらしく、彼の体が離れたら、そこだけ汗がびっしょり……。
そんで思わず最近の私の奇病、"思わず声が出る病"でてしまい、「うわっ」と叫んでしまったのですが、それをいいことに、あるいはその反動なのか、敵は「スイマセーン、ココ、イケブクロデスカ?(中国風)」とカタコトの日本語で聞いてきたのでした。
私は反射神経のするどい女ですからすかさず「いいえ、新宿です!」と言った瞬間(あ、私、降りなきゃ)と一目散に下車したのでした。
で、この話、というか、汗ビットリがあまりにも気持ち悪かったために、実家で家族と友人に話したのですが、話の途中で悲鳴をあげられました。汗ビッショリどころか、寄りかかられただけで席を離れるというのです。そのまえに、危険を察知し、寝ている人の隣にはけっして座らないなどと警戒心丸出しの友人。
「アンタ、いっつもケンカするクセしてそれには文句言わないわけ?」
とオカン、友人、オンの三人(軽蔑のまなざし)に言われたのですが、基本、私は平和主義者なので無駄なケンカはしないタイプ……それに相手は丸腰中の丸腰ですし、なにより私も電車で寝てしまってうつらうつらするので人のこと言えないしなーと言うとタッグを組んでの猛攻撃がはじまりました。
アソビは不潔だからこういうことが平気なのだ、という誹謗からはじまり、オカンなどは調子に乗って淫乱女だと思われるわよ!と怒りだし、そういえば電車の中で何回げんこつでたたき起しても何度もイビキをかいて寝ていたとか、股おっぴろげて寝ていたとか、あげくのはてに電車内ででんぐり返しをしてしまったことなどと颯のスピードで話は逸れていき、汗ビットリでかわいそうな私はさらに追い打ちをかけられる、という泣きっ面にハチ状態。
私だって悪臭がしたり酔っ払いとかならヒジでアッパーとか、あるいは不意打ちをかけていきなり席を立って情けない目にあわせたりするけれども、というか、みんなそんなに「寄りかかり行為」にキビしいんですかね?みんなそうなの?
「人」っていう漢字は人と人が支え合って生きているって書くのに?