Weekly Teinou 蜂 Woman: ぶっかけ女の独り言

約一週間ぶりの更新だが、これといってシャキンとするネタがないのでいま一つ更新する気が起きなかった。その中でもなんとなく「おお」と思ったB級記事は子ども手当て554人分申請したオッサンくらいだろうか。方々（主にツイッター）から、本人への誹謗やそれに絡めて政治批判などを散見されたが、個人的にはこのオッサンに敬意を称したい。
「あ！いいこと考えちゃった！」をあっさり遂行する行動力。そして「こんなに申請したら拒否されないかな……？」とは微塵も思わない実直な思考回路は尊敬に値する、そんなふうに思った。
関連して母乳クッキーを作る母親たちもなかなかのアイデアウーマンだろう。やっぱりいいこと考えちゃったんだろうなあ……。

オカンがまた、オトンの親戚よりお呼びがかかりしばらく家をあけることになった。家中大パニック、大騒ぎである。もう70近く、同親等では一番の高齢だというのに、介護または家政婦的な奉仕活動に勤しむその精神力、私にはとても太刀打ちできないし、太刀打ちしたくもない。それにしても、オカンの不在は家族全員にずしっとくる。（近所のおばちゃん連中にもずしっときているようだが……）私は散々オカンの悪口を言い放ってきたが、もしやマザコンなんじゃないだろうか……？えええええっ！？

昨日、マクドナルドで遭遇した「コーヒーぶっかけ女」の件で、公共の場におけるマナーについて思いを巡らせるまでに至った。ぶっかけ女との出会いはレジ近く。甲高い声で店員にクレームをつけている真っ最中で「はあ、気合い入ってんなあー」と通り過ぎたのだが、その後、私たちの席の背後を丁寧に物色したあと、どっしりと鎮座。「天照ぶっかけ明神」ことコーヒーぶっかけ女、君臨である。
その後、ぶっかけ女は「コーヒーぶっかけられて、自分もぶっかけ返した」というエピソードを延々と、リカバリーなしに話しまくっていた。私が検証したところによると、ガラスに映っている自分の分身に語っているようだった。たまにエキサイトしすぎて大声をあげ、その声に自分で「ハッ」として、少しだけトーンダウンする様はなかなかの見ものだ。
2,30分も過ぎた頃だろうか、私たちがすっかりその顛末を丸暗記したころ、一人のオッサンがとうとう反撃に出た。
「うるせーよ！」
これを皮切りにぶっかけ女とおっさんの「うるせーよ」応戦が始るのだが、徐々にぶっかけのトーンが下がっているのがわかる。意外と小心者なのかもしれない。そのうちぶっかけは静かになり、私の期待を裏切りコーヒーをぶっかけることもしないで出て行って終った。
いやあ、珍獣を見たなあーと喜んでいたが、ふと、そんなに五月蠅かっただろうか？という思いもよぎった。公共の場には、もっとうるさい学生の集団や私も筆頭に中年女軍団などがいる。彼らは終始大声で話し笑うという騒音をまき散らしているが、よほどの奇声を発しない限り、誰も苦情を申し立てる人はいない。ましてやコーヒーをぶっかけることなどしないだろう。あのイカれた女は確かにたまに大声を出してはいたが、かといってわめき散らしていたわけではないし、もう少し離れたところにいたギャルの方がよほど騒いでいたように思う。
ではなぜおっさんがギャルには目もくれず、ぶっかけを注意したかというと、やはり「一人で話す」行為が奇妙に映り、平常心ではいられなかったからだろう。
あのシーンでおっさんが悪いとは思わなかったし、今でも思ってはいないが、少なくとも「うるさい」という発言はまちがいだったのかもしれない。騒音装置で測ったら、異常な数値は出ないからだ。
にしても、人は自分の範疇を超える人と遭遇したときには耐えられなくなるものかもしれないと思った。
店員にクレームを言っていた言葉から察するに、おそらくぶっかけ女は今日もまたぶっかけエピソードを延々と語っていると思われる。今度出会ったら、誰かにコーヒーぶっかけられないか微妙にわくわくしながら注意深く見守りたいと思います。

そうそう、その直前にアリス・イン・ワンダーランドを観て初3D体験してきたのだが、あの美しい映像よりも、ガラスに映る分身に話しまくるぶっかけ明神の方が残像として残っているとはいったいどういうことだろう……あのアマッ！