10年前の今日、正確には昨日だけれども私たちのダイナマイトアローン号が死んだ。
どんなにトチくるっていたかともう一度、一昔前の10月分の日記をすべて読み返した。
なかなかだった。
数日後にはモッシュ君の到来で、完全に立ち直れた気になっていたけど、10年経って読み返すと、やはりどうも様子がおかしいようだ。そして、もしかしたら10年経った今もまだ、おかしいのかもしれない。
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さて深夜のファミレスで、Yがさんざん同僚の悪口を言ったあげくに「人間不信になりそうだ」と言うので「『なりそう』と言うことはまだ人間不信ではないのか」とそのようなことを言うと「よくわからない」と、神妙な顔つきでわからないフリをしている。
「でも動物不信ではないんでしょう」と突っ込むと、Yは聞こえないフリとかもしていた。
たとえば私はバアちゃんの飼っていた犬におへそを噛まれたこともあるし、飼い犬のドーベルマンに手首から先をガッポリ食われた婦人も知ってはいてもしかし不思議なことに「動物不信」に陥ることはないのであるがこれがまたバアちゃんにへそを噛まれたり、家族に自分の手を食われたりしたら人間不信と言うよりも、とりあえず相手を羽交い締めにしてビョーインに連れていくほうが先だろう。
そのとき、キミは人間不信に陥ったと言ってファミレスでミルフィーユのカスと一緒にグチをこぼすかと言えばそうではなく、やっぱり異次元(キチガイ)の人相手に人間不信になどならないのである。
そもそも友人のコレステロール伊藤などは珍獣だと思って接しているから私は彼女との交流をかろうじて続けることが出来ているのであって、まあこんな寛大な私を人はみな「ココロが広い」とか「出来た人間だ」と思うかもしれないが、これが同じ人間だと思っていたらとてもとてもやってられないのである。
人間不信に陥るのはそもそも人間不信でいることで回避できる。
人がみんな自分と同じだと思ってはいけない。自分以外は頭がオカシイ。もしくは自分だけが頭がオカシイと思えばいい。そう、みんな頭がおかしーんだよ!お前もなっ!
「あいしてる」と言ったことはないけれど灰とともに私の手に帰ってきた犬の骨たちを見てわたしは強く強く力強く愛おしいとそう思っていて嗚呼これがもしもそういうことならば私が男に言ったこともなけりゃ思ったこともないのは納得できるのだがしかしそれを口にした男たちのなんと浅墓なことか犬以下なことかイヌイカ?エロチカ?ピアニカ?コードベロニカ?ちがう。ぜんぜんちがう。