もうすぐハロウィンなんですね。
こんな老夫婦、理想ですよね……。
はく製と言えば
Walter Potterや
Carlee Fernandezなどがオススメではありますが、私の陳腐なイメージでは“はく製”イコール“金持ち”なんです。
一番古い記憶の中にある金持ちの家は、父の幼馴染、ケンおじちゃんの豪邸です。階段に真っ赤なじゅうたんが敷かれ、その途中にドでかいワニのはく製が置いてありました。当時三畳の子供部屋をやっと与えられていた私はこの階段に住みたいと本気で思いました。でもケンおじちゃんは腹上死で若死にしました。
二番目の記憶では玄関にパンダの敷物が敷いてあった同級生の家。パンダの毛の白い部分が黄ばんでいて、私がそれを真っ先に指摘すると
うち、貧乏だからクリーニング出せないんだよね
とスネ夫でも考えつかないようなイヤミを言った友人が印象的でした。その日のうちに醤油入りコーヒーを飲ませて復讐しておきました。
三番目の金持ちは外玄関にトラのはく製を置いて道行く人を威嚇していました。家の主もはく製トラに負けず劣らず威嚇感のある人物でしたが、私にはやさしかったです。彼が逮捕されたくらいからトラもどんどんみすぼらしくなっていき、見るに耐えない形相になっていきました。今思えばあれはトラゾンビのようでした。
急に思い出しましたが、キジやタヌキのはく製って田舎に行けば行くほど目にする機会が多くなります。あれは何かの暗号でしょうか。家のイメージを一気に突き落とすほどの独特な三流オーラは何かきっと意味があるにちがいないです。 秘密組織でもあるのでしょうか。
流し台に行ったら、ゴキブリが私の存在を察して慌てふためいて逃げていました。一般人はゴキブリの存在にキャー!と言いますが、あちらはあちらさんで、ウギャアーーーとなっているわけです。しかもこちらのほうがとてつもなくデカい上に兵器も知能も持っている。それなのに殺すなんて良く考えてみれば酷い話しですよね。
少し前まで『死んだときに目を閉じない生き物』を殺すことは平気だったのですが、今ではもうゴキブリ(小に限る)やハエさえも殺生できなくなっています。私は神に近づいているのかもしれません。
あーでも人間には相変わらずどこまでも非道です。
事故現場に遭遇して、たいした惨事じゃないときなんかは『ちぇっ死んでねーのかよ』と本気で思います。
先日伊豆に行ったときも、山道で厚かましくもカエルが私たちの車の前をあまりにも堂々と横断するもんだから車を止めてじーっと待っていたら、後ろの軽トラが狂ったようにクラクションならしやがって仕方ないから私も狂人のフリをしました。鉄パイプは持っていないけれども、ちょうどアウトドア用のイスがあったのでそれを凶器にしようと運転手が止めるのも聞かず持ち出したら、相手は私の演技にまんまと騙されたのでしょう、凄い勢いでバックして消えていきました。バック大会があれば優勝するほどの勢いでした。
狂人の生活はなかなか大変だろうと思っていたけれど、実は意外とそうでもないのかもしれないとバーチャ体験を通して思い直しました。つーかそうかわかった。私は神ではなくムツゴロウに近づいているに違いない。
よーしよしよしよし。
こうなったらもう人間界は相手にしたくないですね。
今日も強風でブワンブワンと髪の毛が爆発しています。
風に吹かれすぎて目が塞がれている時が1番楽しい時間だなんて人間としてどうなんだろうと思ったけれど、私は神かムツゴロウなので気にしません。
んーーそろそろ、脳みそも爆発するんじゃないかなぁ。