「サザエさんはフネから生まれたんじゃないんだって」
と息子が言い出したので
「そんなことがあるわけない」
と言ったら本気で親子げんかになりました。親のコトバより、友だちのコトバを信じるというのかキサマ。 レストランやスーパーで、わざと「マ・ン・ゲ……つ。今日はまんげ……つー!」と大声を出しても、そんなお年頃だと思い叱るのをガマン、むしろ親子の交流を深めようと一緒になってマンゲーツーをしてきた私だが、これだけは譲れない。譲れないよ、オン君。
わたしにとってサイコーの眠剤は「オカンのダラダラとした話」です。これは一種病的なほどで、防衛本能と言ってもいいかもしれない。前は電話口でくだらない話が始まると30分くらい平気で寝ていましたが(それでも勝手に延々と話し続けるオカンもまたビョーキかもしれない)最近はこの病がどんどん悪化していて、目の前で話されると何かに引きつられるように眠ってしまうのです。
先日も、弟の彼女に「うちのオカンがどれだけ怖いか思い知らせてやる」とオカン武勇伝を話まくっていたら、最初はいやがっていたオカンも最後には自ら語りはじめたので、またわたしは睡魔に襲われ深い眠りにつくことになりました。これを、眠り姫と言います。
目覚めると弟は「俺がフられたらアソビとオカンのせいだからなっ!」と半泣きになっていました。普段は人一倍温厚で上品とも言われることのあるオカンの真の姿を知り、彼女は目がうつろになっていたようですが多分半分信じてないような気がする。とても尋常ではないので一発では信じられないのが通常。とうか正常。
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