2019/06/21
大概のものは細く、薄く、そして軽くスマートになっていく。それが進化らしい。
巨大化していくのも進化じゃないかと言いたくもなるけれど、わたしだって重いのはいやだ。
体重計も軽量化が進んで薄っぺらくなった。片付けやすくていいけれど、ズボラな性格にはデメリットもある。どこに仕舞ったかわからなくなって、本気で探せばいいのに本気でAmazonで検索してしまう。次々に新作は出てるし、べらぼうに高いわけでもないからついポチるというループ弊害である。おかげでうちには体重計が3つある。
先日もう一台増えて、ついにうちの体重計は、人の倍の数になった。
どういうわけか息子のオンには物欲というものが昔からない。食べ物以外のモノを買うといえば、せいぜい本や漫画ていどで、服や身の回りのものすべて、もらいものばかりのオン、パンツなどは破けたものを履いている。そのオンが、初めてモノを買ったのである。親としても一大事だが、本人は上がったテンションをわりと長く維持しており、我が家にやってくる友人たちに次々に体重計に乗れと勧めてくる。もちろん女性であってもおかまいなしである。女は体重を知られるのがイヤということが、まるっきり理解できていないようで、彼女たちもまた、「乗ってみなよ! 乗んなよ」と執拗に迫るオンを前に、あまりに拒絶するのも気がひけるのかついに乗ってしまうのだった。息子よ、恋愛が続かない、恋人ができない要因はおそらくこの辺にあるのではないか?
とはいえ日々カラダを鍛えることには余念がないようで、彼は、破れたパンツをいてトレーニングしたあと、新調した体重計に乗る。身銭を切った唯一のモノ。そんなに体重が知りたかったのか…と思ったけれど、今気づいた。どっちなんだろう。太りたいのか痩せたいのか、いったいどっちなんだ?
明日聞こうかなと思ったけども、きっとまた忘れてしまう。そしてまた夜中に思い出して、どっちなんだと思うんだ、母という生き物は。
※これ昨日書いたんだけど、今聞いてみたら「そりゃ太りたいでしょ」とのこと。べつに痩せてないけどな。