Fancy - Chanel Medium Newspaper Print Double Flap Bag
このシャネル、かっこよくないっすか?
キレイなもの、スカしたものを見るとつい汚してしまいたい衝動に駆られるんですがこれはビョーキでしょうか。
だとしたらなんの病名? 汚れ病かな。
思えば中・高校ぐらいのときから、オカンや親戚からもらったブランドもんのバッグや財布などに油性ペンでイタズラ描きしたり、ステッカーを貼りまくったりしていました。
だってホラ、ああいう時期って個性でナンボの世界でしょ?
そうでもないのかな。
そんな多感な時期に、どっかの誰かと同じモノなんて持ちたくありませんよ。
だってそうでしょう。
そもそも人と同じモノがイヤだったんでしょうね。
だから人と同じ意見もあまり好きではありませんでした。
フツーなら自分の意見に同調してくれたり、同意や賛同をもらったら嬉々とするのかもしれませんが、わたしはひねくれているので「いやまてよ……」と思ってしまうのです。
百歩譲って賛美はいいでしょう。
でも、悪口はたった一人で言いたい。
でなければ寄ってたかって悪口を言う烏合の衆になってしまう。
それだけは避けたい。
きらわれようが、ボロくそに言われようがそんなことはどうでもいい。
袋叩きに合うよりも怖いもの、それが烏合の衆の一味になることだったんです。
もっともタチの悪い人間になってしまいそうでイヤなんです。
そもそも悪いにちがいないんですけどねえ。どうしたもんでしょう、この性格は。
ホームルームの時間に、一人だけいつもちがう意見を言って叩きのめされていたのがカラダに染み付いているのかもしれません。同意されると困惑してしまう。
さて、話は心おきなく脱線しましたが、例の「ブランドモノを汚す女」ことわたしの仕事はとどまることを知らず、オカンとのイタチごっこは続きました。そしてそのたびに町内会中に響き渡る絶叫とともに半殺しの目にあっていたのです。
そりゃトラウマにもなるよ……。
そうして立派なブランド恐怖症になったわけですが、それにしてもこのバッグは気に入りましたね。
わたしが汚さなくたって、そもそも汚れているんだもの!