ビリー・ミリガン。ご存知の方も多いと思いますが、継父からの性的虐待という苦痛から逃れるために脳が作り出した別の人格からはじまり、最終的には24人もの複数人格を形成していった男性です。2014年に癌により亡くなりました。
自分にとって「ついてない」都合の悪いことが頻繁に起こると、それを霊の仕業のように言う人もいるし、土地・鬼門・厄年・風水などのせいにしたりもしますね。たとえそれが非科学的であろうと、何か他のものに原因を探しださなければ気が済まないということでしょうか。けっこうけっこう。
たしかに霊媒師に多額の金をつぎ込んだり、厄払いに行ったとたん「ついてない」事柄が減る事例は多いように感じます。でもそれは金をつぎ込んだせいでもなく、お祓いに行ったお陰でも、玄関先に塩を盛ったからでもない。
「やったね、これでもうダイジョーブ」
と脳みそがほっとひと安心したからだと思うのですがいかがでしょうか。
「じゃあ霊の存在はなんなのよ」
と心霊現象をメインライフとするチハルちゃんにつっこまれました。
たとえばこの前死んだうちの叔父の魂はどこかにふわふわと空中浮遊して、次の住みかとなる肉体を探しているかもしれない。それはわかりません。
だけどオバケは人間の恐怖心が産み落とした究極のアニメーションだと私は思っています。V・S・ラマチャンドランの、「
脳のなかの幽霊」ではないけれど、虫の知らせ・予知夢・デジャブ。そしてコックリさんで犬に憑依されたわたしの友人など、フシギ現象のほとんども脳の仕業だと思うんです。
ドラえもんのポケットはお腹ではなく人間の頭の中にある。それをコントロールできる日が来たらどんな怪奇現象よりおっかないかもしれません。
その証拠に、
「わたしって天才!」
と思い込むと本当に天才になります。ほら、わたしがいい事例です。
「わたしって巨乳!」
には惨敗でした。このような失敗例もまたいい教訓です。
……というわけで、昨晩睡眠中に玄関のカギをあけ、ドアを開け、わたしの足元に立っていた物体も脳のなかの幽霊だと思うこととします。うぎゃあああああああああ
ではごきげんよう。