「昔は良かった」とよく耳にするけれど、当然のごとく「今の方がよいに決まってる」と思う人も多いわけで、その割合ってどれくらいなんだろう。国勢調査に加えてもらえないだろうか。
高齢者は過去にしがみつき今を憂うかというとそうでもない気がする。なぜならわたしが高齢者かつ、社会的には今の方がまあマシでしょうね、と思っているからだ。
ビミョーなところで、いたずら電話って今どうなってんだろうか。
昔はでたらめに電話をかけて
「ハァハァ.....おくさん、今何色のパンツ履いてんの?」
というようなことが多々あった気がするし、それらしき電話に出たこともある。
今は相手の電話番号が表示されるとはいえ、非表示だって出る人は出るだろう。でもほとんどその類のハァハァ話は聞かない。絶滅したんだろうか。するかな? そうかあ?
小学校高学年くらいだったか、わたしもかなりハマったことがある。いや、もちろんハァハァではないけれど、一時期は完全にいたずら電話に取り憑かれていた。
学校終わったらどんな電話をかけようかな〜と授業中に毎日考えてはコーフンしていた。コーフンか......やっぱりこれもハァハァ電話の一種だったのかもしれない。
一番盛り上がったのはディスコだ。
親がいない隙に部屋を真っ暗(シチュエーションが大事)にして、カセットテープかなんかでピンクレディかサザン、西城秀樹のYMCAを爆音でかける(これがディスコだと信じて疑わなかった)。でたらめに電話をかけ、
「マサルー(仮名・なんでもよい)? 元気ーー? 今ディスコにいるんだけどさ(夏休みの真っ昼間だというのに)おいでよ〜」
とか言うのである。
なんなんだ、いたずら電話だったのかアレは。友人らは背後で拳を振り上げやたらめったらジャンプして
「イエーイ! YMCA! ディスコディスコー! 」
と叫ぶのだが、考えてみたら当時
「イエーイ」
はあったかもしれないが、ディスコでさすがに
「ディスコディスコーー!」
とは言わないだろう。学校で
「がっこうがっこうー!」
と言うようなもので、意外と斬新だったかもしれない。
ある時、
「そんなハレンチな息子はうちにはおりません!」
と切られた直後に警察から電話がかかってきて、全員が顔面蒼白になったことがある。
わたしなどはオカンが血気盛んで凶器片手に発狂されるのが常だったので確実に死を覚悟したほどだ。
こうして我々の熱狂の日々は呆気なく終焉を迎えたのだけれど、今思えばアレ、100パー警察じゃないな。目には目を。いたずら電話にはいたずら電話を。
そもそもいたずら電話は犯罪になりうるのだろうか。文明の力ことGoogleで早速調べましたがイマイチよくわかりませんでした。どっちにしても未成年だったし、もう時効ですよね?
では、ロックバンド猛毒「湘南〜おまえはどこのワカメじゃ!?」(殺害塩化ビニール)から、「おぼんこぼん」の歌詞を載せてわたしの犯罪かもしれない過去をうやむやにしておきますね。
今何してるの?今なにしてるの?
いまどこにいるの?いまどこにいるの?
今どうしてるの?いまどうしてるの?
ちゃんと生活できてるかー
イタズラ電話したのわかったなー!
おぼんこぼんおぼんこぼんおぼんこぼんおぼんこぼんおぼんこぼんおぼんこぼん......
やっぱまだ絶滅危惧種的にいるなあ......