お題は【き】
下ネタギネス更新中の土屋ならもちろん『きんたま』ですよねーと思った方、ブブーはずれです。金玉なんてつまんないんですよ、見たことないし。
……というわけで、『きりん』にしました。
ほかの候補は『きりたんぽ』『きんぴら』『きんもくせい』『きいろ』『きんこんかん』『きんしんそうかん』『きんし』『きんば』でも『きりん』です。
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きりん
私は足が細すぎる動物はそれほど好きではないのだが、きりんのかわいさに目ざめたのは『
真夏の夜の人間動物園』という記事を書くために、夜の動物園に行ってからだ。
キリンの好奇心にメロメロの夜
小獣館を出ると、すっかり日が暮れていた。
ひらめいた。夜の動物園ってロマンチック
と、同行の伊藤さんは言い出していたが、そんな発言は無視して キリンに関するレクチャーが受けられるというので足早にキリン舎に向かう。
そこはまた、人間動物園として解放されていた。
柵の中で、飼育係さんを囲んでお話を聞いていた時のことだ。
あれえ?ボクの庭でみんななにしてんだろ?
ときょうみ深げに、キリンが首をニョッと伸ばしてこちらの様子をひそかに伺っていたのである。
私たち人間が、観察されている!
カメラを取り出すと、ササーッと隠れてしまった。
そのまましばらく待ちかまえていたら、好奇心旺盛なのだろう、またゆっくりと顔を覗かせる。私はもうこうなったらレクチャーどころではない。
シャッターを押したが間に合わず、他の人に見つかって大騒ぎになってしまった。
シャイなキリンさんはもう二度と顔を出してはくれなかったが、あれは本当に愛らしかった。
キリンの首は進化したものだ。一時は"ウイルス"という説もあったが、高い木の葉を……の進化ではなく水を飲むための進化だという。
あの長い首をフル稼働し、メスを奪い合うための死闘にも使われるキリンの象徴、長い首。まさか水を飲むためにぐんぐん伸びていったものだったとは、知らなかった。
ところで私はもう二度と動物園には行かないと心に決めている。
何度となく通い詰めた動物園だが、ある時フト、
(限られた檻の中で、ウロウロしている彼らも、実は根底では死にたいんじゃないんだろうか。そしてその術を知らないんじゃないだろうか)
そう思った途端、急に行く気が失せてしまった。
あの日、飼育係の人に、きちんと乾燥させたアミメキリンのうんこをお土産にいただいた。
たべちゃダメと書いてある。
うんこを中心にして意見交換をする人間の子どもたち。
結局は下ネタに落ち着いてしまったのかもしれない。
かもしれないじゃなくてそうなった。