和田誠と日本のイラストレーションに行ってきましたよっと。
日本でイラストレーターという職業を確立された方、と言っても過言ではないのではないでしょうか? そんな和田誠、そして我が国のイラストレーションの歴史をヒシヒシと体感できるすばらしい展示会でした。……というか、和田誠そのものが、生きるイラストレーターヒストリーと言ってもいいかもしれません。
とりあえず見てみましょう。
こちら、日本を代表するイラストレーターたちの似顔絵です。和田誠1人で描いています。
↑ 1枚のポスターに、各イラストレーターたちのサインが入っていたり……。(そのときの様子の写真もパネルになっていました)
イラストに興味のない方にとってはご存じない方もいらっしゃるみたいですね……。なぜなら、「週刊文春の表紙を描いているのは平野レミの旦那さん 」という記事を目にして、「あ~! 今ならそういうことになるのか~」と思ったのです。
今週の表紙も、猫ということで少し話題になりました。(動物では猫を一番多く描かれているとのこと)
週刊文春のカヴァーイラストを1977年から描きはじめ、今年で40周年。もちろん文春砲という言葉もなかった時代から、です。私も長年愛読していました。
「
週刊文春 表紙」で画像検索してもズララララーとでてきますが、やっぱりこうして見上げたり、接近して細部まで拝見するのはたのしいものでした。こちらは撮影OKの展示前スペース。
入館してすぐに目にしたのは和田誠の学生時代の作品です。続いて影響を受けた諸先輩方の作品、はじめて手がけた映画のポスター(レタリング必見です)、学生時代のノートなど、大変充実していました。
中でも、高校2年のときに、先生の似顔絵で作った時間割り表が印象に残っています。ほとんど毎日描きかえていたとのことです。算数や国語の文字はいっさいナシ。顔だけで構成された時間割りは、同級生たちにさぞや重宝がられたことでしょう。デザイナーとしてのスタートも、「ひとめでわかる」この時間割りへの探究心が生かされていたのではないでしょうか。
そしてもちろん、ここに彼の作品のひとつである「似顔絵」の原点を見ました。ブラックになりがちな似顔絵ですが、和田誠の手にかかると、どんな方でも愛嬌のある、親しみやすい印象に変えてしまうのです。
また、予想していなかったのですが、「東京イラストレーターズ・クラブ」の成り立ちを知り、メンバーの作品も観られたことも、今回の大きな収穫です。
早川良雄、松本はるみ、横尾忠則、粟津潔、伊坂芳太良、和田誠、大橋正、宇野亜喜良、湯村輝彦、長新太、安西水丸……。ヤバ…すごメン……。
ネットでの情報は少ないけれど、このような大御所たちが所属していたと知り、当時の、才能ある若者たちの熱意を想像してコーフンしました。熱かっただろ~な~。
遅れて
東京イラストレーターズソサエティに所属した当時の心情も読みとれる流れになっています。
映画にも造詣が深く、『麻雀放浪記』で初メガホンを取った経緯も書かれていました。
この作品は、私が個人的に大好きな作家、阿佐田 哲也(色川武大)原作と言うことで、遅れてレンタルビデオで観た記憶もありますが、なぜか和田誠とリンクされていませんでした。
映画ポスター原画などもあります。比較的有名なのは小泉今日子主演の「
快盗ルビイ」でしょうか。
随所随所におだやかで人を大切にする和田誠の人柄がにじみ出ています。作品も然り、ですね。プラスして公開が少ない制作中の動画や、開始当時のNHK「みんなのうた」のアニメーションも流れていて、これで入館料100円って……!
妻である平野レミにはもちろん触れていませんが、彼女の(あのテンションの!)ラジオ番組に惚れこんだ和田のエピソードは界隈では有名だと思います。出会って1週間で結婚したとのことですからね……。神のする事はスケールがちがうなあ~!
パッケージコンペで掴んだ、ハイライト。
今でも色あせないデザイン。
たばこと塩の博物館 和田誠と日本のイラストレーション
一般・大学生 100円!
10/22(日)まで
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ではTwitter抜粋~。
2017/10/15
2017/10/16