【と】とぐろ
とぐろを巻くうんこ(巻きグソ)がこの世に存在するのか? とつねづね思ってきた。
ときには
「とぐろを巻かないうんこをするわたしは異常なのではないか?」
と思うことさえあった。
だって実際に、マンガで見るような、ソフトクリームのような、あるいはチョココロネのような美しい螺旋うんこを、したことも見たこともないんだもの!
息子のオンは、かなりの年齢になるまで、うんこをするたびに
「うんちでたよーーーー!」
とトイレ内で叫び、わたしが目視で確認して、
「わーーーっ! すっごいの出たねー! こんなのはじめて見たよー!」
と大げさに言わなければ満足して流さなかった。かなりの数を見てきたはずだが、それでもついに、とぐろを見ることはただの一度もなかった。
とぐろを見たことがないわたしが、以前作ったうんこ(本当は高瀬先生が作りました)
そういうわけで、わたしは未見である輝かしい『とぐろうんこ』を産みだすため、あらゆる努力をした。コ、コレは! というときに、絶妙に浮かせた腰を慎重にまわし、トライしたことが何度もあった。小学校の頃からだから、かれこれ40年近く、ひそかに、誰にも知られることなく修練していたのである。どれもこれも(ぜんぶうんこだけど)惨敗におわり、あ〜あ、と思いながら、かなしく水を流すのだった。
とぐろはうんこのアイコンであって、都市伝説なのかもしれない……。
そこで、Twitter上で、「とぐろマン」を探したところ、発見者4名、生産者2名が名乗り出てくれた。それはそれは立派なとぐろだったらしい。都市伝説じゃなかったんだ......。やっぱりうんこはとぐろを巻くものだったんだーっ!
Wikipediaによれば、うんこマークは、1971年、とりいかずよしの『トイレット博士』が始まりだそうだ。食物繊維を大量にとると比較的できやすいとのことだが、今はほとんど洋式に変わってしまったので、やはりとぐろを目にする機会が一段と低下していったのもよくわかる。だが、やはりあのシンボルアイコンは日本人にのみインプットされたモノなのだろうか、こんなページを見つけた。
外国人に巻きグソの概念はあるのか調べた
これは実にキョーミぶかい研究報告書だ。排泄物を、ソフトクリーム! と答える外国人の多いこと多いこと! クソなのに! ソフトクリームーッ! わたしはこれに奮起した。日本人たるもの、やはり人生に一度くらいは立派なとぐろを巻かなければ......。
別名うんこ神と呼ばれている(主に私が)波邇夜須毘古神(はにやすひこのかみ)を祀っている神社も
全国各地にあるようなので、まずはそこから参拝して、今後もとぐろうんこに挑み続けたいと思いを新たにした。
......と、鼻息を荒くしているところにこんな画像を発掘。
16世紀に描かれたという風刺画『調香師』。
どっからどうみても立派なとぐろじゃねーか。
Bernard Picart: The Perfumer, ca. 16th century ...
余談だが、少し前に年下の友人らと飲んだとき、うんこの話になった。最近観た映画の中で、うんこを食べるシーンが出てきたので、みんなは食べられるのかとわたしが質問したのだ。すると、予想外にも、Iちゃん(男)が
「え、ぼく、食べたことあるよ。みんなないの? あるでしょーフツー」
と言い出したのである。ええええええーーーーっ! ないっしょーーー! と言ってはみたものの、実は、どんな味がするのか、自分のうんこを一度だけ舐めたことがある。好奇心真っ盛りの小学校低学年だったと思うが、そのときは無味無臭で、
ーーなんだ、つまんない、と思ったものだった。トイレの小窓から、西日がカーッと当っていたのをよく覚えている。
噛んだのかとIちゃんに聞くと、噛んだ、今でもたまにやる、という答えが返ってきた。以前、パイパンを見せてあげる、と、いきなりズボンを下ろしたIちゃんだから、まあウソではないんだろーな〜。気持ちわるいなあ〜。
そんなIちゃん、やはり、とぐろうんこの秘密は解決・経験ずみとのこと。なんだか負けた気が、ぜんぜんしない。
オンが5年生のとき、虫のうんこを集めに集めて作った自由研究を豆本にまとめたもの
最後に、とぐろを探し求めてたどり着いたYahoo知恵袋をご紹介して今回は終了したいと思います。
下品な質問で申し訳ありません。
「巻きぐそ」と呼ばれる大便がありますが、これは排便中に上手く巻きながら作るものなんですか?それとも行為が終わった後で造形するんですか?
下品な質問で申し訳ありません。「巻きぐそ」と呼ばれる大便が... - Yahoo!知恵袋
ぞ、造形しようとする上段者がいるとは......。これにはさすがに完敗した気持ちになりました。そこまで考えが及ばなかった......。
本日のオススメ本ですね。
うぐっ! ヤラれたー! と思ったけれど、良い本だと思います。予約受付中。