「時代はアスレチックですよ。アスレチックッ!」
と、友人名和君の部屋に一面の竹が敷きつめられていたことがありました。
いやでも足踏みマッサージが出来るとたいそう自慢げでした。
けれどもタテ半分に割った竹ではなく、丸いまんまなのでニンジャ屋敷のカラクリのようですっころびそうになる。
遊びに行ったとき、背中とふくらはぎの筋肉痛で翌日は一日中ソファで寝ていました。
電話で文句を言うと、
「それはいい傾向だねえ」
と、とてもうれしそうだったのを思い出します。
彼は中学の時から全く変わらない生活をしています。
ものすごいモーレツなブームがきて、その執念たるやすさまじいものがあり、他の追随を許さないのですが、次に会うときにはまったく別のものに夢中になっている。
「この前のは?」と言っても「なにそれ」って感じで本当に頭おかしいんじゃないかな。
先日、現在のブームを聞いてみたら、「エレベーターのボタンだよ、あたりまえじゃん」と言われたのですが、詳細を聞くのは面倒なのでやめました。鑑賞するのか窃盗するのかはナゾのままにしておきます。
ご両親はいつも悲しげなあきらめの目で彼を見ていますが、ある意味、貴重な存在かもしれません。
ちなみに何かに熱中するあまり、女にも男にもそして自分にさえキョーミがないのでいまだ未婚です。よろしくお願いいたします。