人が入ってるトイレのドアを、思いきり開けちゃった人ってけっこうな数いるのではないでしょうか。そしてそのとき、どういうわけか「スッ! スミマセンッ!」と言ってしまったのではないでしょうか。悪くないのに。悪いのは『もよおしたあまりに焦りすぎてカギをかけなかったあっち』なのに。でも言っちゃうの。見ちゃったから。
わたしのドア開け初体験は小5のときでした。しかも優等生なのに美人であるという、ちょっと許しがたいようなクラスメイト・加藤みち子(仮名)がその被(加)害者でした。わたしは彼女のお尻を見てしまった。見なくていいもの、というか見たくもないものを、彼女の失態によって見てしまったのです。和式トイレにかがみこんだ姿というのはキョーレツでした。優等生の生尻を目の当たりにした驚きで、わたしは常軌を逸した狂態をさらしてしまいます。壊れそうなほど思いっきりドアを閉めたうえで、外から
「うわあああーっ! ごめんごめん! 見てないから! 見てないから!」
今思えば、ここまで騒がなくてもよかろうと思いますが、しかも『見てない』などと言えば言うほど『見ちゃった』と宣言しているようなもの。小5の脳みそではこれがせいいっぱいの"返し"であり"やさしさ"でした。あんのじょう、加藤みち子はなかなかドアをあけず、教室に戻ってきたときには優等生仲間(こちらはブスばかり)に囲まれてうつくしく泣いていました。突き刺さる(ブスで優等生たちの)視線。なんなの! わたしは完全に加害者です。超被害者なのに加害者......。これはもう、えん罪といっても過言ではないのではないでしょうか。過言です。
昨今では、洋式トイレの普及によって、たとえうんこをしていたからといってもそれほどの衝撃は受けないかもしれません。それでもついあやまってしまう。なんなんでしょう。さきほどTwitterで募ったところ、10名もの「わたしは見た(開けた)」ひとたちが名乗りでてくださいました。ほとんどの人が動揺しながらも、やはりスミマセン的な言動を起こしています。なかには絶叫しながら謝罪した方や、「ちょっと!」と怒られた気の毒な方までいらっしゃいました。
わたしはそのとき、「カギしめろよ!」と言える勇気と反射神経と満々たる自信がほしい。正々堂々、かつ冷静に『わたしは被害者である。お前が悪い』と申し出たい。けれどもイザとなると、やはり開けちゃってスミマセン!ってなっちゃうんですね。小心者なんでしょうか......。
どちらにしても、わたしはこのとっさの行動に名前をつけたいと思いました。青木まりこ現象(
Wikipedia参照)のように、この不可解かつ非人道的な行為に名称をつけ、我々はけして加害者ではないことを世に広めていきたいのです。あ。あれか。加藤みちこ現象にすればいいのか。ということでみなさん、そのような緊急事態が起こったアカツキには、けして取り乱すことなく、『加藤みち子現象』のことを思い出してください。そして勇気をだして言いましょうよ。
「カギしめろよ!」
ご協力頂いた、初代『加藤みち子現象』の面々
@manahiyama @heracobra @kabutogani
@popotame_shop @haraitakai @xpavlovx
@BitterbavaroisS @tattin @paricco @kabutogani
ありがとうございました。そして、がんばりましょう!
---
Twitterネタまとーめ