わたしが大声で「あああああーーーっ!」と言ったら、その大声にかぶるように「あああああーーーっ!」とほぼ同時に叫んでくれた人がいた。
なぜその人も叫んだのかといえば本人もよくわからず、とにかく私の「あああっ!」に合わせてなにがなんだかわからないものの、とにかく「あああっ!」とふいに叫んでしまったのだそうだ。
あれがものすごくおかしくておかしくてしばらく腹を抱えて笑っていたんだけども、実はわたしはあのときの相手の大きな口だけを鮮明に覚えているものの、わたしが何に対して「あああっ!」と言ったのか、それがどの場所でどのシチュエーションだったのか、そして信じられないことにその相手が誰だったかさえ覚えていない。
そんなことあるものか。と、読者のみなさまは思うかもしれない。
いいだろう。わたしだって今思い出そうと悶絶しているのだ。
たしかわたしより10あるいは15才くらい上だったような気がするのだがとにかく相手の顔(というか誰だったのか)がまったく思い出せない。わけもわからずいっしょに叫んでくれるくらいだから、おそらくそうとうな同情派だったんだろう。
多分、あの大きな口があまりにも印象的で他のことがかき消されているのではないかとわたしはわたしを推理する。
そういうことってないですか? 多分ないだろうけどわたしはある。今あった。
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真っ暗闇で手探りでもがきまくっていた1年を綴った日記。
手元に一冊たりとも残したくはないのでご購入いただければ幸甚でございます。
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