人の思い込みとは恐ろしいものです。日頃から先入観を持たぬよう努めてはいるのですが、一度インプットされ、凝りかたまった脳というものはなかなか柔らかくはなりません。わたしは昨日、タンメンの真相をこの歳になってはじめて知りました。
ラーメン屋さんにて、『
大人気! タンメン!』と書かれたポスターが目の前に貼ってあったのです。見ることを強いられた真正面でした。この運命の出会いがなければ、わたしはタンメンをワンタンだと思いこんだまま生涯を終えていたと思います。
-- ん? タンメン? んんんー?
わたしはフクロウのように首をナナメにして、心の中で
(んーーーー?)
と思っていました。
「この写真、まちがい……?」
それは首をかしげようが逆立ちしようが、どの角度から見てもフツーのラーメンの野菜盛りだったのです。
-- アハハ、写真ミスったな。
などとのんきに思っていましたが、かといってわたしの命に別条はありません。味噌ラーメンを食べるのにたいへん忙しく、さほど気にしてはいませんでした。ところが、セットで注文したはずのギョウザが一向にこないことで、ラーメンを食べ終えたわたしはヒマを持てあましました。目を細めて今一度タンメンを凝視することになります。
-- ちがう……。これ、タンメンじゃない……。
そこでなんとなく、本当になんとなく、ギョウザがこないからなんとなく、iPhoneを取り出して検索してみたのです。
タンメンとは、茹でた中華麺に、炒めた肉野菜をダシとタレで煮込んだスープを掛けた日本の麺料理。
タンメン - Wikipedia
ええええええーーっ!? コレってただの野菜ラーメンなんじゃ……。とはいえ天下のwikipediaさんがそうおっしゃっているからには、信じなければならないでしょう。ギョウザはなかなかきません。それどころか厨房では
「ギョウザ入ってるの? 3番テーブルさんまだなの」
と言う声が聞こえてきましたが、3番のわたしはもうそれどころではありません。タンメンとワンタンを勘ちがいしたまま、3番として一生を過ごすのかどうかの瀬戸際ですから、今度はワンタンをググることに躍起になりました。
-- マ、マジか。
47年間思い描いてきたわたしの「タンメン」は、あきらかに「ワンタン」であり、それがまちがいだったことにようやく気付いて愕然としているところにギョウザが運ばれてきました。これ、ギョウザって名前でいいのかな……と、何もかも疑心暗鬼になりながら食べたギョウザというシロモノ、まあまあといったところでしょうか。そんなことよりタンメンです。この思い込みがいったいどこから来たものなのか、できる限り脳内逆再生したところ、これもそれもぜんぶマルちゃんが悪い、ということに結論付けました。
そして人の思い込みとは、揺るぎない強靭なパワーを持っているもんだなあ~と思いながら、わたしはTwitterでナウな心情を素直につぶやいたのです。
なんと、タンメンがどういうものなのか、今日初めて知って愕然としている…(ずっとワンタンをタンメンだと思っていた…)
ここからです。ここから第二幕、火ぶたが切られます。
砂糖に集るアリのように、わたしのココロのつぶやきに食らいついた40代の女性陣。あああっ! というまに『喧々囂々(けんけんごうごう)』となっていき、ジェットコースターで急降下するようなスリルを味わいました。きちんとボケ(しかも徹底をきわめた)をカマしてリカバリーを入れたり、本題から逸脱してもシャーシャーとしている点など、最年長のわたしでも「見習わなければ」と、身の引きしまる瞬間が多々ありました。
身の引きしまる方々
いや、ぜんぜん引きしまってなかった......(一人、30代がいます)
Crazy Abalone — (by asobitsuchiya)
「三人寄れば文殊の知恵」という諺は、もうわたしたちには通用しないということ、たしかに3人以上女が寄れば、たいへんな姦しさだということを身を呈して証明しています。「読むだけでうるさい」そう思われた方も多いかもしれませんが、「居るだけでうるさい」と言われたことのあるわたしですからはっきし言ってこれ、まだまだ序の口ですね。
2時間半に及んだ狂態の終着点は、予想だにしなかった展開になっています。ほんの一部を抜粋しますので、今後の参考になさってください。ネットでもリアルでも充分活用できることでしょう。
土屋遊
@wtbw
なんと、タンメンがどういうものなのか、今日初めて知って愕然としている…(ずっとワンタンをタンメンだと思っていた…)
マリ絵
@marie_y
↑わたしもよくわかってない。タンタンメンとはまたちがうよねー。
船長
@captainriot
ふたりともしっかりしてください…
ヨヨ @yoyosuzuki
肉味噌っぽいのがのってるやつじゃないの?(ググってません
40過ぎた女4人が、タンメンと、ワンタンメンと、タンタンメンのちがいについて頭を悩ませております。わたし以外みんなおりこうさんだと思っていたのに!裏切られた!
三人寄れば文殊の知恵、という諺は、40過ぎの女には当てはまらないことを痛感しています。
私は頭悩ませてないです…。
わ!話ややこしくなってきた(笑)ちなみにワンタン麺は広東、坦々麺は四川、ジャージャー麺は北京、タンメンは日本。らしいです発祥。
↑このように漢字を乱用してですね、さらに混乱させようとする戦術…!
広東も四川も北京も同じじゃなかったのかよ!
もう麺のことは考えたくない
ワンタン麺だけは、ワンタン+麺だからなんか違うくないですか?それともジャージャー麺もタンタン麺も、ジャージャー+麺、タンタン+麺ですか?むずかしい。(ぐぐりません)
わかった!もーうわかっちゃった!タンメンと、タンタンメンと、ワンタンメンと、チャンリンシャンのちがい、確実にわかった!
タンメンって炒めた野菜が乗ってるやつじゃない?(ググってませんから
それってだいたいチャンポンでしょう。
↑これはワザとなのか?
だいたいチャンポン…!ウケるなー!
だいたい!チャンポン!
うけるツボがわかりません。グーグルで「タンメン ちゃ」まで打ったら「ちゃんぽんの違い」と出るから多くのひとがそうおもってるということですよ。
「だいたいチャンポン」で今回は〆たいと思う。名言だから。
私一人真面目で申し訳なくなってきた
↑ヤバい。大爆笑した
↑どこ、おかしいの。
ちなみに福岡でチャンポンといえば、食べ物じゃなくてガラスのこうゆうの。
↑これペコポンていうのかと思ってました…。
↑いやポコペンだよ。それかビードロ!
私もポコペン派
どうして40越え女が集まると、タンメンからポコペンの話題にシフトしますか。
「だいたいチャンポン」の会、やりたい。
「一人だけ大真面目で申し訳ない」の会もやろう
......とりあえずここで終焉。
その後しばらくして、ヨヨが
「カーディガンを裏返しに着ているひとには注意してあげた方がいいのか?」などという質問を投げかけてきたので親切丁寧にお答えしましたがシカトされました。リアルでも頻繁に発生する寝オチです。
そういえば、タンメン、ワンタン、タンタンメンツアーをやろうということになりました。ですがその頃にはまたイチから「ワンタンはねー」などと同じ展開を繰り広げることと思います。堂々巡り。それが、大人になるということなのです。ぜんぜんちがいます。
大人もまあ悪くないヨ!
(一人、30代が......)
Crazy Abalone — (by asobitsuchiya)
今日は長文になったので、ネタはまた明日の午前にでも。
(言ったことを守らないこともオトナです)