【は】破壊
『は』なら、これ以上ないテーマだろう。
なんといっても、破壊だ。
とりたてて暴力的な性格ではないと思うが、『破壊』の持つ響きがすきだ。
『破滅』もいいな。やけっぱち感がある。
「はあ?」も捨てがたい。いつもすっとぼけながら「はあ?」っと言っていたい。
「はぁはぁ......」じゃダメだ。これはどちらかというと変態じみている。だいたいその次には「パンツ何色......」ときそうだし、これは却下。
もう2年前になるか、ゴミ・きらわれもの・破壊をテーマにした参加型の展示会をやらせてもらった。
不用品を募り、たくさんの人がたくさんのモノを電ノコやハンマーを使いその場でぶっ壊して、どんどん積みあげて山にする。そのうえにカラスのフン(ニセモノ)を大量に落し、フン葬したのだった。
顔のついたオモチャに対し、「かわいそうで壊せない……」という人もいたが、ほとんどの人がぶっ壊しているうちにエキサイトして、我を忘れていく。
どちらかというと、一見おとなしそうな人ほど、なにかが憑依したように凶暴になっていったが気のせいだろうか。
とことんペチャンコにしなければ気がすまない人もいた。
運転すると人が変わるというけれど、破壊もまた然り。どちらも同じ、その人なんだろう。
わたしはいつも、笑いながら動画を撮った。
壊し方はそれぞれだったが、そのあとに爽快な顔をしていた人がほとんどだったように思う。少なくとも、モヤモヤした気持ちを引きずって出ていった人はいないんじゃないかな。主催したわたしの願望による、偏見なのだろうか。
そうしてみんなで作り上げていった作品のタイトルは、「クラッシュガンボーマウンテン」と名付けたのだった。
人は誰でも少なからず、破壊願望があるんじゃないかな〜と思ってしまうのだけれど、これもまた、わたしの偏った見方なのか。んーよくわかんないな。
中学の同級生で、解体屋になった男がいた。なぜ解体屋になったのか彼に聞きたかったが、奥さんと離婚してから酒浸りとなり体調を崩して死んでしまった。破壊屋が破滅したのである。これいじょうないシャレの効いた死にざまではないか、と、思わなければやってられん。
破壊といえば、中学の体育倉庫をぶっ壊したときのことが頭から離れない。
ダイナマイトを使用して、思い出のつまった倉庫は一発でぶっ壊された。
ちょうど中3の夏だった。ほんのさっきまでそこにあったあの建物が砂ぼこりをあげて木っ端みじんになくなったのである。
さっきまで! あそこにあったのに!
白昼夢でも見てるようだった。
中学最後の年だったせいもあるかもしれないが、わたしは大爆笑しながら泣いた。笑って笑って、ついでに出てしまった涙にみせかけるために笑ったような気もするし、いや待て。たしかに、可笑しかったような気もする。初代、引田天功のマジックを見てるようでもあった。
あんなふうに、体育倉庫みたいに、死ねたらいいなと思う。木っ端みじんにその影さえ残さず、一発で夢のように消えたい。そんでみんなを爆笑させたい。
ところで、わたしとみんなで作ったあの作品の隠されたテーマは
『LIFE!(生きとる!)』でした。
だからなに? と言われれば、うん、それだけなんだけど。
本日のオススメ本。復元された初版本。
重いテーマだけど、じっくりがっつり。
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やるかボケ!