2025.10.23-28
"寒いところが苦手なので一生行くことはなかろう"と思っていた北海道に行った。おそらくこれが人生最初で最後。北勢には大変世話になっているので足腰がかろうじて動くうちに行っておかねば、ならば今年しかないと奮起。勇気を振り絞った。
というかイベントに参上したのだった。「はちみせ(オンライン)で買ってます」って人がたくさん来てくれてブチあがる。それどころか、買ってくれた人に「オンラインやってる『はちみせ』です。全国一律送料なのでぜひ……」と言うと「え! はちみせさん? よく利用してますー」という人も驚愕の多さでマジありがとうございました。
__
しつこいが一生に一度の北海道。観光チックなこともしてみたが、1番心に残っているのはホテルのリラックスルームにあったマッサージ(チェア)機だ。北海道関係ない。何はともあれこの文明の利器に心酔した。昔銭湯だか旅館だかでやってみた時はゴリゴリに痛いだけで拷問機かよ……と恐れ慄いたものだが、わたしがことごとく避けている間にマッサージ機も進化を遂げていたようだ。首からふくらはぎまで満遍なく「イタ気持ちよく」してくれる。そのサジ加減が見事だった。
ちょっと腰やって。今度は肩中心ね。あやっぱ腰、もちょっと強くしてみて。足も足も。とか、人間相手ならなかなか言えないものだが、相手はマシンだから言いたい放題なのもいい(リモコンだけど)。
リラックスルームはホテルの部屋と同じ階にあり、5台のマッサージ機すべてを網羅。後列の右端にあったマッサージ機が一番塩梅がよく、4日目には本体価格をググッて調べていた(これがマッサージ機を置いている本来の狙いかもしれない)。友人が「少しお金出すから土屋さん買ってよ。家に遊びに行ったら優先的にタダでやらせて」と言う。彼女はうちの置く場所まで真剣に提案してきたがちょっと意味がわからない。自分で買えば我が物になるしやりたい放題ではないか……そもそもわたしより絶対金持ってるのに貧乏人に買わせる気か? と今なら思うのだけど、その時は心酔しすぎていたので「そうか……お金少し出してくれるんか……それはお得だな」と本気で検討した。マルチにハマる人はこういう流れなのだろう。
__
札幌は都会すぎて東京っぽかったしビビッていた寒さも今ひとつピンとこなかったし「北海道だーーーっ!」という感情が湧かなかったし田中邦衛もいなかった。けれども今思えば、大倉山ジャンプ競技場に続く道を歩いている時が唯一北海道だった。熊出没の張り紙はあらゆる場所で目にしたけれど、こ、これは……!

5日前!!
わたしたちは『万が一遭遇したときの対策本部』を設立し、ミーティングしながら歩いたのだけれど、「とにかくうつ伏せになるべき」という友人の意見にはどうしても賛同できず、結果うやむやのまま本部は空中解散。「野生動物たちに散々酷いことをしてきたのだから、わたしは人間代表として食べられてもいい。むしろわたしにとって1番理想的な死に方だ」などと豪語しながら、イザとなったら友人らを置いて猛ダッシュで逃げようという強い意志を持って歩いた。何しろわたしはかつて東京イチ脚が早かった女である。とっとと巻く自信がある。
でもこのクマのシルエットはとてつもなく悲しかった。顔がないばかりに、困り果て泣いている彼らの顔しか浮かばないのだ。
2025.10.30
esou ceramics菊川さんの個展「茶霞山脈」を観に西荻に行く。あいかわらずぶっ飛んでいる絵皿を購入。
みんなで食事に行く前に、道端でヤンキー写真を撮った。わたしが一番キマッていた。載せないけど。
食事の席で、突然チャンキー松本さんが津田周平氏に「どんな絵描いてはるん?」と言ってスマホでググり始めた。これには仰天だ。何度も会ってるし食事もしているじゃないか! 爆笑しながらそう言ったけど、チャンキーさんは1ミリも気にすることなく「(絵が)ええね!」と言っていた。今日のハイライトに認定。
2025.10.30
来年、Weekly Teinou 蜂 Womanを開設して30年になります。もうすぐ死ぬと思いますが、息絶えるまで続けますので今後ともよろしくおねがいします。
とTwitterで呟いた。めずらしく"いいね"がたくさん付いて「あ。みんな、わりとまだTwitterやってるんだ?」と思った。なんでこのことに気付いたのかは忘れたけど、そいえば来年はマジで還暦じゃねーか、ということにも今気づきました。
ここ数年、自分の歳を還暦還暦と言っていたけれど、とうとう来年は正真正銘の60歳だ。堂々と優先席に座れるし、年金をもらうご立派な資格もある。あとは何だろ。東京都のバスに無料で乗れるとか? あ、あれは70からだったか。

2025.11.1
はちみせで東海林たぬきさんの個展。接客のうまい東海林さんから学ぼうと思っていたのにすっかり忘れていた。プチ打ち上げの釜飯屋の帰り、ダラダラと1人暗い線路沿いを歩いていたら前方に白く大きなふたつの塊がゆらりゆらりと蠢いている。デカい。犬だと思うけど、もしかしたら疲れすぎて幻を見ているのかもしれない。ちょっと自信がなく、早歩きで近づいてみたらグレート・ピレニーズの老犬2頭だった。白くて柔らかくて、大きな大きな毛の物体。しゃがみ込んだわたしのことを真っ直ぐに見つめながら鼻先まで近づいてくるのだけれど、見えてるのか見えてないのかそれがわからない感じでそれがちょっと、なんというか、夢みたいだった。
夢の2頭とさんざんハグをして、大きな舌で顔を舐められる。彼らが老犬ということもあり、それがすべてスローモーションみたいでさらに夢感を強くした。
主は上北沢まで帰るのだと言う。では、といっしょに散歩させてもらって大型犬の素晴らしさについて盛り上がった。2頭が保護犬だったこと、でもチップが入っていたので現在9歳だとわかっていること、歴代の犬がみな大型犬だったこと、お母さまも実家で大型犬と生活していること、シャンプーは嫌がらない、ブラッシングは毎日……。きっともう会えないと思うので、話しながらもずっと2頭に触れていた。暗くてもわかる、ツヤとハリがなくなった細くてやわらかな毛。その下の肉の感触まで、今もわたしの手に残っている。
2025.11.3
町医者が入った新医療モールのビルに二宮金次郎像が突如現れた。甲州街道で信号待ちをしていたら斜め向こうにそれらしき物体が見えてたので「うそでしょ!?」って思いながら即座に進路を変えて近づいたらやっぱ二宮氏だった。


二宮金次郎ってこの漢字で合ってたっけな……ってググッたら、なぜ二宮金次郎像が(少)なくなったのかを、訊きもしないのにAIが教えてくれた。理由の中に「歩きながら本を読むのは危険」「働く姿を推奨するのは時代に合わない」といった保護者からの声があったと書いてある。バカバカしい。保護者マジでいいかげんにせぇよ。
2025.11.4
歯医者の日。定期検診的なアレじゃない。本気の治療を行う歯医者である。前回、赤いセロファンみたいなのをカチカチして噛み合わせをチェックした時に口内が乾燥しすぎてできなかったら「ごめんねごめんね、乾燥したね。口濯いで」とか言われながら歯科医と助手の方にしばらく爆笑されたので、今日も爆笑されたら文句を言うぞ。絶対言う! という意気込みで鼻息を荒くして向かったのだけど、治療の恐怖ですっかり忘れていたしカチカチはうまくいったし治療もまったく痛くなくて不戦勝だった。
2025.11.5
近所の定食屋もシェフの腰痛で無期限休業、なんと愛する小料理屋たまものさんも理由不明だがしばらく休業。そして最近できたギョウザ屋はいきなりの閉店! 桜上水、いったいどーなっとるんじゃ……はちみせはとりあえず粘りますが、危機的なのは間違いないので買ってくれ!
と、Twitterで呟いたが、それによって購入者が現れたかどうかは不明。
____
今日も「なんとかムーンの日」だった。近年「なんとかムーンの日」が多すぎる。昔こんなに多かったっけ? 多かったんだろうけど多かったっけ?
____
鍋焼きうどん、中火で7分って書いてあったから忠実に守ったら鶏肉がまだ生だった。Twitterで文句を書いてから(どういうことだよ……)と思いながらまた火を入れる。そもそも毎回(中火とは……?)ってなる。中火、むずかしすぎない? 人んちによって火力ちがうでしょーが。今度は煮すぎて肉がパサパサになったので悲しかった。来年、60歳になります。
2025.11.6
昨日定食屋の無期限休業を嘆いたのに、今日いきなり復活していたので開店直後に入店。我々が食べている間に次々に人がやってきて、あっという間に満員になる。しかも並んでるとこ初めて見た。生姜焼きと銀鮭のダブル定食を注文して急いで完食。みんな再開をよろこんでいるんだな〜。我々もうれしいよ。相変わらず店の夫婦が無愛想なのも含めて。
先日の二宮金次郎像の話を友人にしたら、めちゃくちゃ爆笑されて驚いた。いや、たしかにわたしも目撃した時はウケたんだけど「あの町医者のビルの前に二宮金次郎像があったんだよ」って言っただけでこんなに爆笑するか? ってくらい笑ってたので少し心配になった。もしかして……こういう病気があるのでは……笑い病とか……? と思い検索したのがまずかった。
タンガニーカ笑い病
3人の女子生徒から始まり、累計で1000人の感染者、14校が閉鎖措置を取ったとされるタンガニーカ笑い病。笑いとともに、痛み・失神・呼吸困難・発疹・流涙といった症状が出るという。恐ろしい!!!!! 感染しないようにするにはどうしたらいいんだ。マスクでなんとかなるんかコレ(ならない)。おそらくワクチンもないだろう。集団ヒステリーの類なので、友人が笑い出したらそっと目を閉じいきなり瞑想を始めることで己を律して感染を回避できる気がする。警戒するに越したことはない。
2025.11.8
定食屋に続き、小料理屋たまものも本日より再開。今日突然の再開告知だったので余裕で入れるだろうと東海林たぬきさんと張り切って向かったものの、満員で入れなかった。でもよかった。桜上水はたまものとはちみせで盛り上げたいと思います。
2025.11.10
晴天だったのに、予告なく雨が降ってきたので「は? 雨?」とツイートしたら、3人のフォロワーさんから「おかげさまで洗濯物を取り込めました」と報告があった。洗濯をして(わたしは2ヶ月に1度くらいしか洗濯をしない)、雨が降ったら取り込む(わたしは雨が降ったら取り込まず、天気になるまでそのまま干しておく)という人間行為を遂行するみなさんのことが眩しい。けれどもわたしは彼らを救った。救世主はこんな気分だったのだろうか。
人は、このような成功体験から詐欺まがいの宗教をはじめるのかもしれない。気を引き締めよう。
2025.11.11
昨日救世主気分を味わったバチなのか、指が攣りまくってキーホルダーが打てなくなった。情けない。
痛さという点ではふくらはぎが攣るよりぜんっぜんマシなのに老いぼれ感がすさまじく、『引退』の2文字が頭をよぎるもイコール『無職』すなわち『収入ゼロ』ようするに死を覚悟しなければならない。ホームレスはやったことあるのでできなくはないだろうけど、この歳で寒いのはヤだよなぁ……住所不定でも年金もらえんのかな……? などと考えていたら現実味を帯びてきた。
指が攣ったくらいでかなり飛躍する。
あ、今日ポッキーの日じゃん。